DevRelCon London 2019に参加しました

DevRelCon London 2019に参加しました

今年で5回目となるDevRelCon Londonに今年も参加してきましたので、その報告になります。

参加者はこれまでに最大となる300名超

DevRelConは各地域とも年々拡大傾向にあります。日本では今年、150名を超えましたがロンドンでは300名を超える規模になったとのことです。しかも平日の二日間です。日本ではまだまだ仕事で参加できる人は多くないと感じており、週末開催にならざるを得ません。きちんと仕事の中でDevRelが認識されていると言うことです。

場所は昨年の二日目と同じクイーンエリザベスIIセンター(QEII CENTRE)です。イギリス女王の名前を冠している通り、しっかりとした設備となっています。2015年、一番最初のDevRelCon Londonが勉強会のような場所で行っていたのに比べるとカンファレンス感が増しています。

登壇カテゴリについて

二日間ともセッションがみっちり集まった内容となっています。これまでの最多、54名の登壇者だといっていました。トラック数は3つで、一つ約30分程度のセッションです。

カテゴリは個人の経験であったり、マーケティング、チーム体制、ドキュメント、APIなどがありました。特に燃え尽き症候群や働き方に関するセッションも多かったのが特徴的です。DevRelが知られるようになり、国内外を忙しく飛び回る人たちが増える中、働き方の問題も出てきているのでしょう。

参加者の国籍について

DevRelCon Londonでは徐々に多彩な人種の人たちが参加するようになっています。2015年くらいは白人の人たちばかりでしたが、今回はアジア系であったり、黒人の方、インド系の方たちも参加していました。グローバルでは多様性が重視されるようになっていますが、DevRelConにおいてもその影響が強く出ているようです。

日本人は今回4人参加しました。

  • 2015年:1人
  • 2016年:3人
  • 2017年:3人
  • 2018年:4人
  • 2019年:4人

となっており、徐々に増えてきています。各国で行われている中でも最大、オリジナルのDevRelConを体験する日本人が増えて欲しいと願っているので、参加者が増えているのは喜ばしい限りです。

Photoed by Wataru Yamazaki

セッションについて

個別のセッションについて書いていくと長くなってしまうので、簡単に。

Slash Dataによる開発者の分析

Slash Dataは開発者アンケートやWebサイトの分析で開発者のデータを収集しています。そこから人気のプログラミング言語、変化などを探ります。特に興味深かったのは、技術カテゴリ(IoT、スマートフォンアプリ、ゲーム、VRなど)ごとにプロとホビーユーザの割合を分析したものです。

ここから分かることとして、市場がまだまだトライアル&エラーの状態にあるのか、成熟してきているのかということです。プロが増えているとすれば、それは成熟が進んでいるといえるでしょう。ホビーユースが多い状態では、まだまだ活発に開拓が行われているといえますが、ビジネス化できていない状態にあるともいえます。

ドキュメントの翻訳

BOXの英語ドキュメントを日本語化した事例紹介です。Document as a codeとして、自動化する仕組みを紹介していました。英語版ドキュメントのアップデートを検知し、その差分を自動的に翻訳担当者に配信し、レビューしてコミット、反映するまでが自動で行われます。タイムラグとしては英語版ドキュメントを更新してから4週間とのことです。

コミュニティを成長させるC.A.R.G.Oフレームワーク

C.A.R.G.Oの略は次の通りです。

  • C
    Concept(コミュニティの目的、概念)
  • A
    Acquisition(参加メンバーの獲得)
  • R
    Retention(メンバーの再訪)
  • G
    Goals(コミュニティのゴール)
  • O
    Outcome(コミュニティの結果)

この辺りをきちんと設計していないと、コミュニティが成長しなかったり、そのために何をすればいいのかが不透明になります。

DevRel Awardの発表

DevRel Awardは昨年からはじまった施策で、その年DevRelに力を入れていたプロダクトや個人を表彰する制度になります。グローバル(というより英語圏)での活動が評価されています。

今年はFlutterであったり、Twilio Quest、dev.to、Hacktober festなどが選出されました。

MOONGIFTの関わり方

今回のDevRelCon London 2019では個人スポンサーとして参加しました。個人スポンサーは999ポンド以上(それ以上はお気持ち)でなれます。恐らく通常の企業スポンサーはもっと金額が高くなるはずです。個人スポンサーは私しかいなかったので、パンフレットでは逆に目立つ結果になりました。これは意外と嬉しい誤算でした。

後、DevRelとは何かという説明で、英語版DevRelサイトのdevrel.coの内容が引用されました。ちょっとしたことではありますが、英語で発信しておくのは大事だと感じた一幕でした。

人の出入りが多いDevRel…

DevRel Meetupに参加したことがある人はご存じだと思いますが、私は日頃から会社を辞めてくれるなといっています。もちろん、個人の人生としてみれば幸せな働き方になるのは喜ばしいですし、歓迎するところです。しかし、いかんせんDevRel Meetupに行くと転職すると会社の上司に思われてしまうのは避けたいのです。

では海外のDevRel界隈ではどうかというと、転職の話がさらに激しく聞かれます。IBMからGoogleへの転職、GitHubでDevRelConに強く関わってきた二人はすでに退職し、MongoDBの方も辞めています。

万一転職が頻繁に行われるとしても、DevRelが成長していけるなら悪くないのかも知れません。その会社でDevRelの価値をしっかりと植え付けてくれれば、一人が辞めたとしてもDevRelは継続されることでしょう。その意味では個人の熱意、閃きだけだったDevRelが企業の文化として根付く上で人の出入りは欠かせないのかも知れません。

アフターパーティーのカラオケ

アフターパーティーはいつもながら(?)カラオケパーティーとなりました。お腹が空いていたこともあって早々に出てしまったのですが、外国人のカラオケ好きは異常ですね(褒め言葉)。

まとめ

DevRelCon Londonは私にとっても海外カンファレンスの原点ともいえる存在で、非常に楽しいカンファレンスになります。DevRelCon Tokyoは、そのカンファレンスの雰囲気をそのまま日本でも再現しようと取り組んでいます(少し日本風のアレンジも含みますが)。

日本からも繰り返し、何名も参加していることもあり、DevRelにおける日本の知名度は一定度あると確信しています。行った方、みんなが楽しめるカンファレンスとなっています。グローバルな雰囲気とロンドンの街並みを楽しみにぜひ2020年は参加してみませんか?

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