コミュニティマーケティングについて学べるミートアップ、CMC_Meetupの第五回に参加してきました!CMC_Meetupとは、AWS(アマゾンウェブサービスジャパン)でマーケティング本部長を務めていた小島氏が手掛ける 、コミュニティ運営ノウハウの「言語化・共有・ブラッシュアップ」を目的としたコミュニティです。 今回は『「コミュニティあるある話」特集 – 大手企業での進め方と、メディアからみたコミュニティ』と題して、大手企業のオフレコセッションと、IT系メディアの編集者たちがコミュニティについて語るパネルセッションの豪華二本立て!
オフレコセッションの内容は書き控えますが、その他の部分についてレポートしたいと思います。
最初は恒例の小島氏のキックオフセッション。CMC_Meetupは毎回発起人である小島氏のセッションから始まります。拡大するコミュニティの設計には、メンバーにコンテキストを共有しておくことが不可欠と言われていますが、CMC_Meetupでもイベントの冒頭の時間を使ってこのミートアップの目的や、コミュニティマーケティングとは何か?という基本的なトピックをしっかりと伝えています。 こうすることで、新規の参加者もしっかりと巻き込んでいけます。逆にこれを怠ってしまうと新規参加者が居づらいコミュニティになってしまうので注意が必要です。
3つのファースト、ボーリングピン戦略などのコミュニティマーケティングの基本は要チェックです。今回のキックオフセッションでは、これらの基本に加えて、ロゴが完成間近であること(ロゴはコミュニティの三種の神器のひとつ!)や、最新のコミュニティマーケティングの実践例の紹介などがありました。ちなみに、Com2のこのページもコミュニティマーケティングの基本がわかるサイトということでご紹介いただいています!
完成間近!CMC_Meetupのロゴ
続いては、なかなか聞くことのできない大手企業3社によるコミュニティマーケティング実践事例の紹介セッションでした。残念ながらスピーカーのみなさまには完全オフレコを条件にご登壇頂いたため、ここには社名すら書けません…。しかし1社だけ書いてもOK!という太っ腹な企業さんがいたので、ここではそのセッションについてご紹介しておきます。
社名露出OK!の許諾をいただいたのは、リクルートテクノロジーズさんのユーザーリサーチコミュニティ「Raico」の事例。ユーザーの本当のニーズを探るためにコミュニティを活用しているという事と、組織の立ち上げにおいて、ステークホルダーが多い企業がどんなステップで壁を乗り越えているか、というお話でした。
グループインタビューの限界をコミュニティで乗り越える グループインタビューでのリサーチはどうしても点になってしまう・本音を聞き出しづらい、もっと日常的に、線でユーザーを理解したい…そんな思いからオンラインリサーチコミュニティ「Raico」を立ち上げたそうです。いわゆるMROC(Market/Marketing Research Online Community)と呼ばれるもので、従来のアンケート型やインタビュー型とは異なるアプローチでリサーチをすることで、今まで気づけなかったインサイトを得ることができます。
#CMC_Meetup MROCのツールです。 #知らなかった pic.twitter.com/qETsKXcv22
— しま こ (@simakoo1) June 23, 2017
リサーチをしたら、しっかりとお客様にフィードバックを返すのが大事で、それがユーザーのエンゲージメントを高めることに繋がるそうです。確かに、聞かれっぱなしよりは、自分のアンサーが何かに活かされていると知れたら嬉しいですよね。
意見だけ聞くのは申し訳ないので、形にしてユーザーさんにシェアする。 #CMC_Meetup pic.twitter.com/Tz2gs8hF6U
— 近藤佑子 (@kondoyuko) June 23, 2017
組織を立ち上げる上での4つの壁とその乗り越え方 ここでは、意識のハードル、経営資源のハードル、士気のハードル、政治のハードルの4つについて触れられていましたが、特に士気のハードルについてが印象的でした。 意味のある価値ある行動にするための案件の運び方がわからない状態をどう打開するのか?という課題に対して、ビジョンに共感してくれる中心人物(ファーストピン)への働きかけが大事だ、というお話をされていて、コミュニティづくりと似た部分があるのだと気付かされました。各部門のキーマンをしっかりとおさえておくことが、士気向上に繋がるとのこと。
MROCの事例を聞くのは初めてでしたが、コミュニティマーケティングが共創のマーケティングであることがよくわかるセッションでした。
他に登壇いただいた2社の方のセッションも、大企業ならではの「あるある事例」にあふれた、濃い内容となりましたが、こちらは完全オフレコということで、当日会場にお越しいただいた方だけの学びということで。。。。
メディア、イベント運営側から見た、「コミュニティへの期待値」を理解し、コミュニティとの正しい関係構築方法を学ぶ、ということで、ここではIT系メディア3社の編集/ライターの方々と小島氏のパネルディスカッションが行われました。
IT系メディアにとって、コミュニティのスピード感と本音は貴重は情報源。また技術的な話題は非エンジニアの記者にはなかなか書きづらく、その点コミュニティやその中で活躍している個人とのリレーションをうまく構築できていると、教えてもらうこともできるので助かっているそう。印象的だったのはアスキー大谷さんのこの言葉。「(これまでは)山手線の中で仕事が済んじゃっていた。しかし、一度地方のコミュニティに取材に行くと新たな発見があった。」
技術評論社 馮さん:個人的に面白いかどうか。インターネットが好きなので、そういうコミュニティには積極的に入ってる。 翔泳社 近藤さん:内輪ネタはよくない。ニッチだけど、他のひとも面白いと思えることを発信しているかどうか。ギークな深さと、外へのリーチ力、両方大事。 アスキー大谷さん:近藤さんに同意。外を向いているか、新しいひとに入ってほしいと思っているのか、というのは重要。
メディアからみたときは、クローズドコミュニティよりも、新規参加者にも理解を得やすいオープンなコミュニティの方が魅力的に映るようです。
続いては、コミュニティメンバーからのLTセッション。今回は3人の方が発表してくださいました。
タブレット型のPOSシステム・スマレジのユーザーコミュニティ「スマレジ会」を立ち上げたお話。川上さんがコミュニティを作ろうと思ったきっかけは、店舗運営者同士の横のつながりの弱さに課題感を持っていたちょうどそのとき、CMC_Meetupに参加したこと。なんと参加の三ヶ月後にユーザーコミュニティ~~会~~を発足したそうです。 スマレジ会は店舗運営のヒントやコツをシェアする場所で、キックオフ > メイントーク > LT > 懇親会というCMC_Meetupのイベント構成もトレースしながら試行錯誤しているとのこと。日本最大級の店舗運営者のコミュニティにすべく奔走中です! 非ITのユーザーの集まりなので、アウトプットが薄いこと、さらには店舗運営者の人が多いからレジ締めのために途中で帰っちゃう人がいる…という業界ならでは課題をシェアしてくれました。
サイボウズ社が提供する業務システムを簡単に作成できるクラウドサービス・kintoneのコミュニティ 「kintone Café」、クラウドコンピューティングサービス・AWSのコミュニティ 「JAWS-UG」の2つのコミュニティで活躍されているアールスリーインスティテュートの金春さんが、それぞれのコミュニティ活動の中で得た知見をシェアしてくれました。
詳しくは金春さんのこちらのブログに書かれています。非常にわかりやすくまとまっており、絶対必読です! JAWS-UGはエンジニアが参加者に多くいる一方、kintone Caféは非エンジニアの方も集まるコミュニティという違いがあり、参加者構成によって個々のコミュニティの文化が異なってくるため、運営にも気を配らなければならないといった点や、コミュニティメンバーのモチベーションを理解できるかが鍵、などコミュニティ運営をする方にとって参考になる話が盛りだくさんでした。
特に重要かつ反響が多かったのはスライドのこの部分。
#CMC_Meetup これ、わかる。世代交代と、ロックスターづくり。 pic.twitter.com/aN52T3jJZF
— しま こ (@simakoo1) June 23, 2017
コミュニティにコミットする人のモチベーションを理解する、その人を全力で応援してロックスターにしてあげる、ロックスターのストーリーを共有する。これがコミュニティの新陳代謝と継続・拡大に繋がるそうです。
最後は、フリーランスコミュニティマーケターの松澤亜美さん。旅・食好きコミュニティLunchTrip の運営、Pinterestのコミュニティマネージャーを経て、現在フリーランスでコミュニティマネージャーをされています。現在はシンガポールのコワーキングスペースのコミュニティマネージャーとしてご活躍されているそうで、なんとCMC_Meetup当日ははるばるシンガポールから飛んでこられたとのこと!
登壇者がシンガポールから来たり大阪から来たりなんだかすげえなwありがたい会だw #CMC_Meetup
— Yasuhiro Morizaki (@crankychoco) June 23, 2017
ありがたい会ですね。笑
フリーランスのコミュニティマーケターという新しい職業にチャレンジすることになった経緯などはこちらのブログにまとまっています。同年代の女性として尊敬!
「事件は懇親会で起きる」という名言が金春さんのセッションでもあったくらいに、コミュニティの活性化に懇親会は必須。ちなみにCMC_Meetupではみなさん食べ物そっちのけで会話に花が咲きすぎてフードが余るという事件が毎回起きています。今回、5回目にして初めてピザが完売し、運営チームの器量が上がってきたと感じました。笑
運営メンバーも参加メンバーも楽しくコミュニティビルディングを追体験できる場、CMC_Meetup!まだ来たこのない方もぜひ一度遊びにきてくださいね。この会合の翌週6月27日には、福岡にて初の地方都市開催も行われたほか、7月28日に東京で開催される夏サミでは、CMC_Meetup についてもお話しするセッションがあります。更に8月30日にはBACKSTAGE 2017 内でのCMC_Meetup 特別開催も予定されています。
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