コンテンツマーケティングのススメ(その1: テックブログとDevRelの相違)

コンテンツマーケティングのススメ(その1: テックブログとDevRelの相違)

DevRelで行われる施策の一つにコンテンツ施策があります。コンテンツと一言で言っても多岐に渡ります。

  • ブログ
  • チュートリアル
  • ドキュメント
  • ホワイトペーパー
  • ウェビナー
  • eBook
  • インフォグラフィック
  • ポッドキャスト
  • 動画
  • マンガ
  • その他色々

この中で、特に手軽に行えるのがブログ記事かなと思います。MOONGIFTでDevRelのお手伝いをする際にも、ブログ記事はまず最初に行うべき施策として提案することが多いです。

そんなDevRelのブログ施策で、テックブログが引き合いに出ることが多いのですが、両者は相違点があります。今回は、その部分について解説します。

似ていること

ターゲットオーディエンス

テックブログもDevRelも、ターゲットオーディエンスは開発者です。開発者に向けて技術情報を提供することが目的です。

目的

コンテンツはアウトプット施策であり、読者に価値を提供するのを目的としています。

編集体制

継続的に良質なコンテンツを作り続けるためには、編集体制の確立は欠かせません。ここでいう編集体制は、主に以下を行うチームです。

  • コンテンツスケジュールの管理
  • ネタの収集
  • 記事の企画
  • ライティングのサポート
  • ライティングの校正
  • 技術検証
  • 画像のデザイン・イラスト作成

テックブログによってはまったくレビューを通さず、継続的にコンテンツが生成されているケースもあります。しかし、このレベルにまで達するのは相当な時間と文化熟成が必要です。

似ていないこと

ターゲットオーディエンス

同じ開発者を読者対象としつつも、読み手は異なることが多いので注意が必要です。たとえば、自社でデータベースのマネージドサービスを提供していたとします。その際、自社の開発チームには以下のようなナレッジが蓄積されているでしょう。

  • クラウドでデータベースをスケールさせる方法
  • データベースを堅牢に運用する方法
  • データベースのパフォーマンスを向上させる方法

こうしたナレッジを公開した際、その読み手はデータベース管理者であったり、自社でデータベースを運用する企業に勤めるエンジニアになります。多くの場合、この手の記事は深い洞察に基づいており、それらがデータベースエンジニアにとって役立つものになるのは間違いありません。

しかし、データベースのクラウドサービスを利用する開発者というのは、以下のようなエンジニアになるでしょう。

  • フロントエンドエンジニア
  • サーバーサイドエンジニア
  • モバイルエンジニア

多くの場合、大規模なデータベースの運用に慣れていないエンジニアになります。彼らは自分たちのアプリケーションが大規模になったり、クラウド上でセキュアに運用するのに不安があり、あなたのサービスを使いたいと思っているのです。

あなたたちはその製品のプロであり、ターゲット技術カテゴリーにおける熟練者になります。それに対して、DevRelで対象にする人たちは、あなたの製品を使いたいと思っているが、その技術カテゴリーにおいては初心者であることが多いです。

なお、幾つかの代替サービスがある場合、自社が同市場においてトップランナーであることを示すために、テクノロジーに関する情報を出力する場合もあります。

コンテンツの種類

テックブログの場合、総じて技術的な情報をテーマにしています。そのため、以下のような記事が多いでしょう。

  • データベースのチューニング方法
  • フレームワークの使い方
  • ライブラリの使い方
  • パフォーマンスをいかに向上させたか

対して、DevRelのブログの場合、目的によって一例として以下のようにコンテンツが分かれます。

  • 認知度向上
    まとめ記事、技術記事(初級者向け・採用決定権を持つ人向け)、業界の最新情報
  • 理解度向上
    リリースノート、アップデート情報、事例、比較記事
  • 利用促進
    チュートリアル、Tips、外部サービス連携

目的

テックブログにおける目的は、主に3つ考えられます。

  • (主に企業)ブランディング
  • エンジニアの満足度向上
  • エンジニアの採用

対して、DevRelにおけるブログ記事の目的は、以下の4つになるでしょう。

  • 製品ブランディング
  • 認知度向上
  • 理解度向上
  • 利用促進

テックブログがテクノロジーフォーカスなのに対して、DevRelの場合は製品や、市場フォーカスになります。

検索ワード

テックブログにおいて、Web検索で訪れる人たちの多くはそのテクノロジー(たとえばデータベース)における悩みごと(パフォーマンスやセキュリティ、スケールなど)を解決したいと考えています。そのため、検索ワードは技術的な用語を含んだもの、時にはエラーメッセージなどになるでしょう。

ただし、どちらかというとアウトプットに主眼が置かれているので、厳しく検索キーワードを考えることはないと思います。それに、テックブログで常にマーケティング的なことを考えていたら、アウトプットする意欲が削がれてしまうでしょう。

対して、DevRelのブログ記事の場合は、さらに深くターゲットオーディエンスを理解し、彼らが日々の業務の中でどんな悩みごとを抱えているのかを理解する必要があります。

ターゲットオーディエンスとは、すなわちペルソナです。このペルソナの設計が浅いと、記事もビッグワードを狙ったものになりがちです。それらは幾ら記事を書いたとしても、検索結果の上位に上がってくることはないでしょう。

まとめ

テックブログとDevRelにおけるブログは、同じ開発者を対象としつつも、目的や記事の種類が異なります。テックブログのノリでアウトプットしても、なかなかDevRelのKPIには結びつかないでしょう。

MOONGIFTではDevRelのコンテンツマーケティングを支援しています。お気軽にお問い合わせください。

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