DevRelで行われる施策の一つにコンテンツ施策があります。コンテンツと一言で言っても多岐に渡ります。
この中で、特に手軽に行えるのがブログ記事かなと思います。MOONGIFTでDevRelのお手伝いをする際にも、ブログ記事はまず最初に行うべき施策として提案することが多いです。
そんなDevRelのブログ施策で、テックブログが引き合いに出ることが多いのですが、両者は相違点があります。今回は、その部分について解説します。
テックブログもDevRelも、ターゲットオーディエンスは開発者です。開発者に向けて技術情報を提供することが目的です。
コンテンツはアウトプット施策であり、読者に価値を提供するのを目的としています。
継続的に良質なコンテンツを作り続けるためには、編集体制の確立は欠かせません。ここでいう編集体制は、主に以下を行うチームです。
テックブログによってはまったくレビューを通さず、継続的にコンテンツが生成されているケースもあります。しかし、このレベルにまで達するのは相当な時間と文化熟成が必要です。
同じ開発者を読者対象としつつも、読み手は異なることが多いので注意が必要です。たとえば、自社でデータベースのマネージドサービスを提供していたとします。その際、自社の開発チームには以下のようなナレッジが蓄積されているでしょう。
こうしたナレッジを公開した際、その読み手はデータベース管理者であったり、自社でデータベースを運用する企業に勤めるエンジニアになります。多くの場合、この手の記事は深い洞察に基づいており、それらがデータベースエンジニアにとって役立つものになるのは間違いありません。
しかし、データベースのクラウドサービスを利用する開発者というのは、以下のようなエンジニアになるでしょう。
多くの場合、大規模なデータベースの運用に慣れていないエンジニアになります。彼らは自分たちのアプリケーションが大規模になったり、クラウド上でセキュアに運用するのに不安があり、あなたのサービスを使いたいと思っているのです。
あなたたちはその製品のプロであり、ターゲット技術カテゴリーにおける熟練者になります。それに対して、DevRelで対象にする人たちは、あなたの製品を使いたいと思っているが、その技術カテゴリーにおいては初心者であることが多いです。
なお、幾つかの代替サービスがある場合、自社が同市場においてトップランナーであることを示すために、テクノロジーに関する情報を出力する場合もあります。
テックブログの場合、総じて技術的な情報をテーマにしています。そのため、以下のような記事が多いでしょう。
対して、DevRelのブログの場合、目的によって一例として以下のようにコンテンツが分かれます。
テックブログにおける目的は、主に3つ考えられます。
対して、DevRelにおけるブログ記事の目的は、以下の4つになるでしょう。
テックブログがテクノロジーフォーカスなのに対して、DevRelの場合は製品や、市場フォーカスになります。
テックブログにおいて、Web検索で訪れる人たちの多くはそのテクノロジー(たとえばデータベース)における悩みごと(パフォーマンスやセキュリティ、スケールなど)を解決したいと考えています。そのため、検索ワードは技術的な用語を含んだもの、時にはエラーメッセージなどになるでしょう。
ただし、どちらかというとアウトプットに主眼が置かれているので、厳しく検索キーワードを考えることはないと思います。それに、テックブログで常にマーケティング的なことを考えていたら、アウトプットする意欲が削がれてしまうでしょう。
対して、DevRelのブログ記事の場合は、さらに深くターゲットオーディエンスを理解し、彼らが日々の業務の中でどんな悩みごとを抱えているのかを理解する必要があります。
ターゲットオーディエンスとは、すなわちペルソナです。このペルソナの設計が浅いと、記事もビッグワードを狙ったものになりがちです。それらは幾ら記事を書いたとしても、検索結果の上位に上がってくることはないでしょう。
テックブログとDevRelにおけるブログは、同じ開発者を対象としつつも、目的や記事の種類が異なります。テックブログのノリでアウトプットしても、なかなかDevRelのKPIには結びつかないでしょう。
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