コロナウイルスが日本で流行はじめたのが2月頭のことですが、それから10ヶ月経って状況は改善していない状態です。むしろ徐々に悪化しているとさえいえるでしょう。そんな最中ではありますが、DevRelは継続して行われなければいけません。なぜなら、こんな閉鎖的な状況を打破し、ニューノーマルな中でも輝くようなサービスやソフトウェアを開発するのが開発者だからです。そしてDevRelではそんな彼らを鼓舞し、応援するものだからです。
コロナ禍において、DevRelの形式も様変わりしてきているのではないでしょうか。2020年を振り返って、その施策の変化を紹介します。
まず、コロナの影響を受けている施策です。
5月や10月に行われることが多かったEXPOや展示会は軒並み中止になったり、オンライン化しています。オンライン化と言えば聞こえは良いですが、実際には単に動画を並べているだけの、これが展示会なのかと疑問符がつくようなものも多数あったようです。試行錯誤の状態だとは思いますが、従来の展示会のように見込みリストが作れたかは不明です。
従来は毎日、数十行われていたコミュニティイベントも3月以降中止したり、オンラインに移行しています。最初の頃こそ、オンラインという珍しさで引き寄せられた人たちも多かったですが、半年も経つと飽きてしまっているようです。コミュニティの地力が必要とされている段階といえるでしょう。特に地方コミュニティの衰退する傾向が強くなっています。
4月くらいにDMが一気に押し寄せられてきた時期がありました。マーケターの人たちが情報を広めることができなくなり、リストに飛びついた感があります。その結果、受信者たちが嫌になって解約が相次いでいました。今なおこの傾向が強いですが(特にメディアサイト)、解約率は高止まりしているようです。メールによる情報伝達、CTRは悪化していることでしょう。
こちらも最初の頃こそ、もの珍しさもありましたが、あっという間に廃れています。顔出しを強要する場合、それだけで嫌がられる傾向があります。顔出ししない場合、聞いているのかどうか(仕事しながら聞いている人も多いですが)も分かりません。繰り返して行ったところで、本当に意味があるのかと疑問を持つことになるでしょう。
オンラインでもくもく会を開催してみましたが、やはり反応は鈍いです。自宅で作業しているのと殆ど変わらず、一体感がありません。その場にいればちょっとしたことでも聞けたのが、オンラインになると途端に距離が発生してしまいます。この距離感の問題はオンライン施策のすべてに関わってくるでしょう。
逆にコロナ禍にあって注目度が上がっている施策です。
オンラインコンテンツを増やす施策は注目されています。情報の調査などにオンラインを用いざるを得なくなっていますので、オンラインコンテンツを増やすことで検索されやすくなります。個人による発信力が低下している傾向がありますが、公式からの発信力を強めるにはいい時期でしょう。
オンラインのハンズオンも人気が出てきています。個人的にやっているのは1時間程度の短いハンズオンです。リアルの場に集まっている際には2〜3時間程度のハンズオンを行っていましたが、オンラインでは集中力が持ちづらいという問題があります。また、わざわざ出向いた感もないため、カジュアルにさくっと終われるハンズオンコンテンツであれば就業時間中でも参加しやすくなります。
施策がオンラインに移行したために、リアルで会って相談できる場が減ってしまいました。そのため、いつでも相談できる場を用意しておくのが大事です。実際、相談を利用した方たちの有料顧客へのコンバージョン率は非常に高くなっています。情報発信と組み合わせることで、相談窓口は営業窓口としても十分活用できるでしょう。
エバンジェリスト・アドボケイトが前面に出るべきかは議論が必要ですが、一定のキャラクター付けは必要でしょう。そうしたキャラを活かしてTwitchやYouTubeで配信している人が増えています。編集した動画の場合、収録と編集にかなり時間を要します。ライブ配信であれば、編集する必要がないので手軽にはじめられます。
オンラインイベントは従来のオフラインで行っていたイベントとは別物として捉える必要があるでしょう。熱量を重視したコミュニティはオンラインで形成するのが難しいです。一定の熱量があったとしても、それはオフライン時代からの参加者であったり、すでによく知る人たちだったりしないでしょうか。オンラインイベントにおいては、その目的と広がりを別な視点で捉えるべきです。
現在はオフラインができないから強制的にオンラインイベントが隆盛となっています。オフラインの代替くらいの雰囲気では行わない方がいいでしょう。
EXPOや展示会、ブース出展などが減った分、企業によっては予算が余っているところもあるようです。それでいて、売上はそれほど変わらないので従来のマーケティングが無駄だったかのようなとらえ方をされます。これはもちろん違って、従来のマーケティングのお陰(貯金)が今になって効いているだけです。貯金を取り崩してしまえば、次の一手が打ちづらくなるのは間違いありません。
コロナウイルスの影響は恐らく来年いっぱいは続くと考えられます。ワクチンの話を耳にするようになりましたが、それで一気に解決するものでもないでしょう。新しいマーケティング施策に乗り移るべき時期はすでにはじまっています。新しいDevRelをはじめていきましょう!
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