PR(Public Relations)とDevRelは繋がりを形成するという意味においては同じような活動と言えます。しかしPRが社会全体をターゲットとしているのに対して、DevRelは特に開発者をターゲットとしている点が異なります。
この違いは活動内容において、大きな違いが出てきます。
特にDevRelは広告の類の活動が効果的でないということです。バナーのようなディスプレイ広告はクリックされませんし、記事広告も殆ど読まれなかったりします。さらにそれを悪くするとステマとして大きなブランディング毀損につながりかねません。
そのためDevRelではPR以上にイベントやブログ、外部メディアへの露出などが必要となります。特にネットワークモデルが効果的とされていて、自社開催だけでなく様々な勉強会やハッカソンなどターゲットとする開発者が参加しているイベントに入り込むのが大事です。PRの場合、主催/共催セミナーがメインだと思いますので、その点はDevRel独特ではないでしょうか。
一般的にプレスリリースが発信するマーケティングなのに対して、Public Relationsは聞くマーケティングも含まれるとされています。DevRelもその点は重要で、開発者の生の声を聞くのに重点が置かれています。
開発者は世間的にITリテラシーが高い傾向があり、それをうまく使ってブログ・ソーシャルメディアを使ってバイラルを期待することができます。それは一般市民に比べると高い傾向があります。DevRelではオンラインでの活動も重要なシェアを占めています。
PR戦略の中では「共創」がキーワードになっていますが、DevRelの場合は開発者の中に元々オープンソース(バザール開発)の文化があります。コードやTipsをオープンにして他の人に使ってもらったり、一つのシステムを皆で作り上げていくのも昔から行われています。さらにその際には金銭的なやり取りではなく、チャレンジであったり、タスクの達成感などが重要であり、むしろ金銭でアクションを起こさせようとする姿勢は嫌われる傾向があります。
一般的にPRで喧伝する人は聴衆に近い人(目線が同じ人)が好まれますが、DevRelにおいてはさらに技術力の高さが求められる傾向があります。そうした人がエヴァンジェリストとなり、勉強会やイベントで登壇することによって他の開発者を魅了し、アクションにつなげていくのが一般的です。
なお、本来のPRはきちんとしたセグメントを行うべきなので、DevRelはPublic Relations for Developersと言うこともできます。
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