DevRelの主なKPI

DevRelの主なKPI

以前、DevRelのゴールは開発者コミュニティを築くことであると書きました。これはいわゆるKGI(重要目標達成指標)になります。では、それを達成するためのKPIは何が考えられるでしょうか。

DevRelはマーケティング、広報活動であるためセールスのように売上数字を持つのはよくないと考えています。もし売上数字を持ってしまうと、自社の利益のために利用者にとって不利益になる情報を発信してしまったり、逆に相手の利益になる情報を隠してしまう可能性があります。そういった情報の隠蔽は中長期的に自社およびエヴァンジェリストとしての個人のブランディングを損なうものと考えられます。

KPIとしてよくあるものは次のようになります。

サイトのPV

Webサイト全体であったり、ブログのPVで判断することがあります。初期の頃であればコンテンツを投入することでPVは右肩上がりに伸びていくでしょう。しかし徐々に頭打ちになっていくはずです。

そのため初期のKPIとしては良いのですが、一年経過時には別な指標(維持率)に切り替える方が良いかもしれません。

新規会員数

新規会員数を増やすための施策としてはハンズオンが最も効率的かも知れません(他にもありますが)。セミナーなどで登壇しても、100人話を聞いたとしてもユーザ登録まで至るのは1割にも満たないでしょう。

後はブログやチュートリアルを整備することで新規登録が継続的に見込めるようにもなります。

アクティブユーザ数

アクティブユーザ数はサービスを継続的に使ってもらう必要があるので、最も難しい指標かも知れません。この場合はユーザ会の創設であったり、利用者コミュニティを活性化するのがポイントになります。

さらにパートナー制度を設けて、パートナー主催のイベントを啓蒙することで自分たち以外が能動的にアクティブを活性化させるのにつながります。

ソーシャルネットワークのコミュニティ数

ソーシャルネットワークでつながっている人を増やすのは広告を投入すれば一番簡単なのですが、それは質のわるいユーザ(最悪の場合、単なるアフィリエイター)を呼ぶことにつながります。これは誰も望んでいないはずです。

そのため問われるのはつながっている人の数と質になります。投稿に対する反応の率、バイラル数などを可視化することで測定をしなければなりません。

ダウンロード数

フレームワークやSDKを提供している場合、ダウンロード数が一つの指標に選ばれることが多いです。この場合はドキュメント、チュートリアル、ブログ、ハンズオンなどが活用できます。

さらに、そもそもSDKの導入が面倒では意味がありません。各プログラミング言語別にパッケージ管理システムを使って簡単にインストールできるようにしたり、利用開始までのステップを省力化するといった工夫が必要です。

Q&Aサイトの質問数

コミュニティの活性化施策としてQ&Aの数を見ることがあります。いくらコミュニティが活性化しても、何の意味もない会話が繰り返されているのは指標として問題があります(もちろん会話がないよりはマシなのですが)。

そこで使えるのがQ&Aコミュニティです。そこで交わされた質問と答えはナレッジとして蓄積されていきますので、Googleなどの検索流入を増やしたり、ユーザのセルフヘルプにつながっていきます。


KPIを正しく設定しなければDevRel活動の意義すら見直されることになりかねません。その結果としてライバルサービスがDevRel活動によって伸びていくのを指をくわえて見つめることになってしまいます。会社が理解してくれない、ではなく適切に成果が見られる指標を設定しましょう。

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