圧倒的熱量!元AWS小島さんが登壇したDevRel Meetup in Tokyo ミニが開催されました

圧倒的熱量!元AWS小島さんが登壇したDevRel Meetup in Tokyo ミニが開催されました

10月27日(木)にDevRel Meeup in Tokyoとしては初となるミニイベントを開催しました。なぜミニかと言うと、登壇者が一人で人数も相当絞り込んだからです。実際、今までにはこれよりも小規模だったこともあるのですが、名目上今回はミニイベントとしました。

登壇者は元AWSのマーケティング統括者の小島(おじま)さんで、JAWSを作り上げた人としてIT業界ではよく知られている方です。正直、小島さんが喋るとなるともっと大勢でも集まるのですが、あまり人数が多いと発表側と聞き手側で分離してしまい、ディスカッションがあまり盛り上がらないだろうと考えてあえてごく小規模なスペースを設定しています。

今回小島さんが発表に使った資料は下記になります。

この中に多くのエッセンスが詰まっていると思うのですが、やはり本人の口から聞く方が深いところまで理解できました。特にポイントになるであろうキーワードをピックアップして紹介します。

イベント中の実況ツイートについてはDevRel Meetup in Tokyo ミニのまとめ - Togetterまとめにまとめてあります。

わたくしごと

シャネルやフェラーリなどは誰もが知っているブランドですが、欲しいですか?買いますか?と言われると肯定的な意見だけとは限りません。それは対象が自分事になっていないということです。誰かにサービスを知ってもらう際には、この自分事にしてもらうという観点がとても重要です。

自分事だからこそ前のめりになりますし、使ってもらって、その感想をフィードバックしたくなります。コミュニティへの関わりについても同様です。

この私事にしてもらうというのはとても重要なのですが、そのために必要だと思うのは相手と対等の立場での発信です。ただ上からご神託さながらに情報を発信してもなかなか伝わりません。利用者の目線で、彼らにとって役立ち、使ってみたいと思えるコンテンツのまとめ方が大事だと思います。

情報の流通速度が加速する

例に出ていたのはAWSのイベントをメディア各社がまとめている中、隣でクラスメソッド社のブログ担当者が次々と記事化しているということです。さらに彼らは実際に触った上で技術を理解して発信するので記事の深みが出ます。

現在のオンライン上での発信の場合、ニュース性が求められる記事であればとにかく速く発信してしまうのは大事です。それがGoogleによってインデックス化され、誰でも見られるようになります。この速度を維持するのはコミュニティやパートナーとしての熱量に他ならないでしょう。

コミュニティがコンテンツを作り、交換し、保存してくれるというのは的確な表現だと感じました。これもまた私事と同じで、発信側のコンテンツのパッキング力が求められますね。

コミュニティリーダーは技術力よりも強調力

技術系コミュニティの場合、技術力のあるアーリーアダプターが旗振りを兼ねてしまうことが多いのですが、それではうまく回らないことが多いとのことです。懇親会で周囲に気を配り、お酒が足りてない時にそっと注文できるような人ほどコミュニティリーダーに向いているとのことです。そのため、リーダー選びは相当慎重に行われていたそうです。

一度決めてしまうと取消も効かないので、急がずにじっくりと決める必要があります。また、リーダーを支えるコアメンバーも用意しておくことで、リーダーが多忙になった時の代わりとして動いてもらうこともできます。

有名なTEDのプレゼン、[デレク・シヴァーズ 「社会運動はどうやって起こすか」 TED Talk TED.com](https://www.ted.com/talks/derek_sivers_how_to_start_a_movement?language=ja)の紹介がありました。個人的にも好きなプレゼンの一つです。

リーダーをリーダーたらしめるのはフォロワーの存在です(筆者は二人目のバカと呼んでいます。一人目のバカはもちろんリーダーです)。さらに見えないところで行うのではなく、周囲から確認できる場所で行う必要があります。

勉強会を公開し、実施したらソーシャルで共有したり、フォロワーにブログを書いてもらうなど目に見える形にしていく必要があるとのことです。それによって周囲に認められる活動になり、それがリーダーを作り上げていくことになります。

コミュニティは企業と対等

企業が主導していくコミュニティ(ユーザ会的なもの)はおもてなしの精神が感じられると言います。それではコミュニティとしてはまだまだで、基本的に金銭が発生するようなやり取りは厳禁とのことです。飲み会ですら割り勘で支払われます。

同じ立場だからこそ聞く気になれて、楽しむことができるとのことです。その意味でユーザ会とコミュニティは異なるものであると指摘がありました。

コミュニティは農業と似ている

コミュニティ形成に必要なのはまず良いタネ(リーダー)を探すところからはじまります。そして、じっくりと手塩をかけて育てていきます。コミュニティは一朝一夕にできるものではありませんし、かつ簡単に模倣されるものではありません。

コミュニティに対してモノを売るのは厳禁です。コミュニティに情報を発信してもらい、それに影響された人たちが製品を採用してくれる流れを作るのが理想的です。その意味において、コミュニティは最終的な採用を決定する一打にはなりづらく、クロージングは別途セミナーやワークショップのが効果的とのことです。


JAWSの結果だけを見れば、非常にうまくいっているコミュニティに見えます。しかし、そこには小島さんの経験に裏打ちされた(それでも試行錯誤があったはずですが)仮説、検証によって現在の形になってきたと言えるでしょう。それはサービスの種類、オーディエンス、時期など様々な要因が関わっています。

そのため、同じ仕組みをそのまま取り入れようとしてもうまくいくはずはありません。今回の発表にあったエッセンスを使い、自分たちなりのやり方に展開していくことこそが大事でしょう。


この後、懇親会になったのですが、これまでの最高人数が参加したかと思います。これもまた、小島さんのファシリテーション力と言えそうです。参加者の熱量も非常に高く、イベント中はもちろん懇親会も大いに盛り上がっていました!

 

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