昔、DevRelという言葉が浸透する前から開発者に接する仕事をしている人たちがいました。彼らはDevRelという言葉を知って、自分たちが「DevRelを行っている」のを認識しました。それによって求人しやすくなったり、自分たちの求められる成果が分かりやすくなります。
そこで今回はDevRelに関係するであろう主な職種と、その役割をあげてみます。
自社製品、サービスを触ってくれる開発者に相対して喧伝する役割を担っているのがエバンジェリストやアドボケイトです。イメージとしてはエバンジェリストは多くの開発者に対してカンファレンスなどで接するのに対して、アドボケイトはより個人、数人の開発者と相対して彼らの実課題を一緒に解決するというイメージがあります。とはいえ両者にそれほどの違いはありません。一つのチームにエバンジェリストとアドボケイト、両方いて、きちんとロールを分けているケースは多くないはずです。
ソリューションアーキテクトと呼ばれるとより、クライアント(かつ大手)と相対して、彼らをサポートする存在と言えます。CxOと呼ばれる経営層と話したり、営業担当者と同行してクライアントの課題を解決します。AWSではAWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイトという資格制度を設けて、この資格を取得した人をソリューションアーキテクトとして認定しています。
マーケティング部門の取締役であるCMOです。DevRelに限らず企業のマーケティング戦略全般を担う存在です。CMOがDevRelを理解している、少なくとも開発者が重要なステークホルダーだと認識しているかどうかはDevRel活動に大きな影響を及ぼします。旧来の四大メディアへの予算配分しか知らないCMOだとDevRel全体が不幸なものになるでしょう。
DevRelチームが開発部に所属している場合はCTO管理下になるでしょう。この場合、マーケティングを知っているかどうかが大きな鍵になります。マーケティングを知らない、技術しか分からないエンジニア上がりのCTOだとDevRelが不幸になります。少なくとも経営層であるため、技術だけを知っていれば良いと思うことはない…と信じたいですね。
DevRelはマーケティング活動なので、マーケティング担当者の存在は欠かせません。エバンジェリストやアドボケイトが自分の成果まできちんと数値化して追いかけるのは時間、労力的に難しいでしょう。そこでマーケティング担当者が成果を計測できる仕組みを作り、イベント告知やメールマガジン発行などでサポートすることになります。
開発者コミュニティを作るのであれば、企業側からも受付になる人が必要です。コミュニティマネージャはそのための仕事になります。コミュニティマネージャはコミュニティ運営メンバーと対話し、彼らが行いたいイベントを一緒に作ったり、レポーティング、ネタの提供などを行います。
ブログなどのコンテンツマーケティングを行うのであれば、そのコンテンツ品質を守る編集長の存在が必要です。編集長がコンテンツ方針を決め、書き手を探します。アイディアを出したり、上がってきた原稿の校正、公開タイミングの設定を行います。
サブスクリプション型モデルにおいて注目されている職種がカスタマーサクセスです。ユーザのサポートであったり、その進捗の管理、プロダクトになった時の事例インタビューなどを手がけます。特にサポートから事例までの流れが大事で、待ちのサポートではなく積極的な姿勢が臨まれるでしょう。
サポートもDevRelにおいて重要な存在です。最近ではカスタマーサクセスと同義で扱われることが多いですが、サポートは大量に寄せられる質問を適切に素早く返答することが求められます。テンプレートなどで効率化を求められることが多いですが、画一的な対応は開発者を失望させてしまいます。自動化はしつつ、より人情的なサポートが求められています。
一言でDevRelと言っても様々な職種の人たちが関わっています。この他にもDevRelに関わっているという職種もあるでしょう。エンジニアや営業職であってもDevRelを意識するかどうかで事業への貢献度は変わるでしょう。
DevRelはキャリアとしてみてもユニークな立ち位置になります。ぜひDevRelに関わることを見据えたキャリア構築に取り組んでみてください。
MOONGIFTではDevRelのアウトソーシングを提供しています。エバンジェリスト・アドボケイト代行、ブログ執筆、ドキュメント管理、開発者コミュニティ育成など全方位的にサービスを提供しています。DevRelに関係するマンパワーが足りない…そんな課題を抱えている方はぜひお問い合わせください。
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