DevRelを学ぶ際に読みたい書籍

DevRelを学ぶ際に読みたい書籍

私はエンジニア出身で(今もエンジニアですが!)、DevRelをはじめようと思った2015年当時、マーケティングの知識はほとんどありませんでした。DevRelはエバンジェリストという人たちによって進められているというのは分かっており、何らかの計画に沿って進められているという感じはしました。この計画は何だろうと考えると、それは企業のマーケティング計画でした。

そこからマーケティングの勉強をはじめました。そこで、この記事では私がDevRelをはじめるにあたって参考にした書籍を紹介します。もしこれからDevRelをはじめようと思った方は参考にしてもらえれば。

日本企業はそもそもマーケティンが弱い

日本は中流が殆どで、個人よりも全体の利益が重視される国民性があります。出る杭は打たれるなんて言葉があるくらい、全体に重きが置かれます。そういった市場においてはマスマーケティングが非常に有効です。そのため、いわゆる4大メディア(テレビ、新聞、ラジオ、雑誌)の持つ宣伝力は非常に強いものでした(あえて過去形にしています)。インターネットの登場によって、多少バランスが変わっていますが、ことマスマーケティングにおいては4大メディアが5大メディアになっただけとも言えます。結局バナー広告があり、検索広告もシステムでパーソナライズしているだけで、マス向けの宣伝をシステム化しただけと言えます。

マーケティングの基本

ごくごく基本的なマーケティングを学ぶ上で参考になる書籍です。ほぼ教科書で、マーケティングの基礎を学べます(放送大学の教材なので当然ですが)。

共創マーケティング

DevRelで肝になるのは、相互コミュニケーションであると最初に思いました。そして開発者の言葉を聞いて、製品開発に活かしたり、マーケットにフィットした製品開発が大事だと感じていました。その文脈で当時語られていたのが共創マーケティングです。

共創マーケティングというのは消費者と対話しながら製品を開発、改善していくマーケティングで、ゼクシィや無印良品などがよく語られます。参考になったのは以下の書籍です。

マーケティング戦略

当時、コンサルティングなどを行っていたので戦略という言葉は分かりやすかったです。特に多くの日本企業のマーケティングが広告予算の分配ばかりで効果測定や戦略性をもって行われていない状態とあって、きちんとした戦略を立てるのは必要だと感じていました。そんな時参考になったのがマーケティング戦略に関する書籍です。

図解 実戦マーケティング戦略

個人的にはこの著者(佐藤 義典さん)の本が好きで、全シリーズ読んでいます。

他にも戦略系の書籍があります。

コトラー氏の本

マーケティング周りの鉄板でしょう。コトラー氏のマーケティング3.0、4.0は読んでおくのをお勧めします。

UXデザインの教科書

数年前、UX(User Experience)が流行っていましたが、DevRelにおいてはDX(Developer Experience)が語られます。DXについて詳しい書籍はありませんが、UXの考え方をDXに転用することは可能です。その際に参考になったのがUXデザインの教科書です。

コミュニティ

コミュニティはDevRelにおける大事な要素です。コミュニティはオフラインに限らず、オンラインも含めて考える必要があります。そういった観点から幾つか書籍を読んでいます。

細かいテクニック本

マーケティングというのはテクニックが雨後の竹の子のように生まれ、そして死んでいきます。何とかマーケティングという言葉がどんどん生まれ、その書籍が出ています。以下はその一部です。

パブリックリレーションの教科書

DevRelはDeveloper Relationsの略で、PR(Public Relations)の開発者版です。そのため、パブリックリレーションから学べる、転用できる要素はたくさんあります。そこで参考になる書籍です。

日本の広報というのは発信を重視しますが、元々の語源であるPRは広聴という聞く方も重視します。広報と広聴、送受信が組み合わさってこそのPRでありDevRelです。

DEVREL

筆者の書籍です。DevRelの前提知識が学べます。エッセンス的に上記の書籍を学んだ上での書籍ではありますが、戦略などについては書いていないのでマーケティングについて学ぶのには向いていません。Kindle Unlimitedに入っている方は無料で読めます。

結局のところマーケティングとは?

誤解を恐れずに言えば、マーケティングは自社や自社製品の情報を、ターゲットに対して届ける施策に他なりません。ただ、その方法がたくさんあるということです。インターネットのようにメディアとも、流通経路とも、増幅器にもなりえる媒体があったり、コミュニティのように計測しづらい方法もあります。そのため、日々新しい方法が生み出され、試されている状態です。

かつては4大メディアにどういう予算配分で出すかがマーケティングであり、さらに言えば広告代理店に最適化までお任せな状態でした。かつてのメディアは効果測定が難しく、その意味ではマーケティングというのはなんと楽な仕事なのかと思ってしまいます。しかし現在はインターネットの登場によって細かく測定できるようになってしまいました。その結果、あらゆる施策に対して数値が求められるようになっています。

つまりマーケティングの肝は数値化、計測にあります。計測方法が明確でないマーケティング施策は採用されづらくなるでしょう。DevRelについても同様で、きちんと数値化していく必要があります。継続は力なりといった言葉もありますが、継続すべき裏付け(数値)があってこそ説得できるものになるでしょう。

まとめ

こういった書籍を読みつつ、ナレッジとして固めて一つの形にしたのがDevRelになります。すべての書籍を読む必要は決してありませんが、開発以外のナレッジも大事だというのが分かってもらえると嬉しいです。

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