この記事はDevRelアドベントカレンダー22日目の記事です。
日本にDevRelという単語を持ち込んで、DevRelを広めるためにDevRelするという活動を2015年に開始して早3年半が経過しました。徐々にDevRelという単語が知られるようになり、認知度も上がってきています。
「DevRel」って言葉を最近見るようになって「でぶれる?」でぶ?なにそられ?って感じだったけど、少し調べると僕にとっても結構身近な話なのね。
— TAICHI (@artbreak_taichi) December 11, 2018
とは言え、まだまだ認知されていなかったり、正しく理解されていない部分があるのも事実です。今回DevRelアドベントカレンダー2018においては、多くの記事において冒頭で次のように差し込まれています。
Developer Relationsは、外部の開発者、つまり顧客企業のエンジニアとの繋がりが形成することで、自社製品やサービスを知ってもらい、深く理解していただくためのマーケティング活動の一環です。主にソフトウェア業界、Amazon、Google、Facebook、Evernote、GitHubなど、多くのIT企業が実践し効果を挙げていることで、近年注目されています。
来年以降も継続して認知拡大に努められればと思っています。
DevRel Meetupは順調にイベントを重ねて、予定通り11回(1月を除く毎月月初)行うことができました。これまで私がすべて取りまとめてきましたが、今年は運営体制もでき、司会も殆どやらずにこれました。一歩ずつですが自走に向けて動き始めています。
DevRel Meetupについては運営メンバーが7名となり、安定的に運用できています。ファシリテーションも素晴らしく、イベント時のツイート数も伸びています。普通のDevelopperがDevRel meetupに参加して変わったこと - Above & BeyondやDevRelは「愛」に溢れている!! - matsumatsuのブログなどで楽しんでもらえている様子が分かりますが、エバンジェリストやアドボケイトのファシリテーション力は優れています。2019年も変わらず皆さんに楽しんでもらえる(何より自分たちも楽しい)イベントが開催できればと考えています。
2018年はよく分からないくらい忙しく、海外でミートアップがまったくできていませんでした。昨年8月にシンガポールで行ったのが最後かも知れません。来年はもっとしっかりやっていこうと考えています。
代わりに今年の後半に立ち上げたのがDevRel Meetup in Englishです。DevRel Meetupの英語版で、DevRel Meetup in Tokyoでも時々英語回として行ってきたのですが、独立させることにしました。立ち上げる際に運営メンバーを募集し、現在6名で運営しています。
6月25日の#1ではGitHubのJoeにも参加してもらい(元々DevRelCon Tokyo 2018に合わせていたのもあります)、#4となる12月には5名ほど外国人が参加しています。外国人の人たちも日本のエンジニアと交流できる場を求めており、DevRel Meetupがその場を提供できていると言えます。DevRel Meetup in Englishは隔月で行っており、次回は3月6日の予定となっています。
なんで英語なの?と思う方は英語で広がるDevRelの世界 – Taiji – Mediumを読んでみると良いでしょう。個人的に言えば「今後日本の市場は確実に小さくなる」「英語が喋れるのは当たり前であって、すごいことでも何でもない」「海外という見方ではなく、グローバルに自分をアピールしないと今後食っていけなくなる」ということです。
自分が目指すべき世界を創りたいのであれば、自分でコミュニティを立ち上げるのが一番です。最初は一人かも知れません(実際、DevRel Meetupは8回目まで一人で運営していました)。そこでくさらずに運営を継続していければ、徐々に仲間が増えていくはずです。
DevRelの文化は東京以外ではまだまだ難しいと感じています。そんな中でさらに拡大していくために現在進めているのが深化です。地域を広げて薄く広くではなく、ターゲットとする分野を絞って、より深く話せる場を作っていこうと考えています。その第一弾として「開発者コミュニティ」をターゲットとしたグループを作ります。これについては私はアシストとして入り、音頭は別な人に取ってもらいます。絞り込んだテーマで新しいリーダーを作りだしていくのが来年の目標でもあります。
7月15日にはDevRelCon Tokyo 2018を開催できました。これはお金と開催責任についてはMOONGIFTが見ていますが、運営はDevRel Meetupのメンバーによって執り行われています。むしろ私は当日までの準備係であって、当日はリラックスして過ごしていたくらいです。
海外からの参加者含めて100名以上が参加しており、国内外でDevRelを広める大きな施策となっています。DevRelCon Tokyo 2019も開催予定となっていますので、ぜひご参加ください。
DevRel SummitはDevRelConと似たDevRelのカンファレンスですが、元々シアトルベースでした。それが今年からシンガポールで行うことになり、これ幸いと参加してきました。元々シンガポールの市場規模を知っていたので分かっていたことですが、参加者としても50名くらいの小さなカンファレンスになりました。しかしシンガポールはアジアのハブであり、大きな可能性を秘めた市場となっています。それはDevRel Summitの主催者たちも分かっており、来年もシンガポールで行う予定と言っていました。
MOONGIFTとしてもシンガポールでのミートアップ立ち上げを目指している以上、来年は力を入れて頑張っていきたいと考えているところです。
なかなか時間がとれずに遅々として進まなかったのですが、ようやくDevRelの電子書籍を書き上げることができました。
Kindle Unlimitedに入っている方であれば無料で読めます。DevRelの基礎から実際に行っていく施策まで幅広く押さえていますので、ぜひご覧ください。また、来年にもより深い内容で一冊は書き上げたいと考えています。
外部イベントにも参加することで、新しい層へのアプローチも行いました。
詳しい報告はDevRel Meetup Tokyoコミュニティでの技術書典5の参加報告 - Qiitaをご覧ください。私たちはデベロッパーコミュニティ【光編】とデベロッパーコミュニティ【闇編】という二冊の本を執筆しました。一冊、6人くらいの人たちでまとまって書き上げた本になります。そして、当日私が売り子ができないという失態を犯す中、運営メンバーでほぼ売り尽くすという素晴らしい結果につなげてくれました。それまで自分がいないと…という意識が多少なりともありましたが、この時にコミュニティが自立しはじめている感が高まってきたと言えます。寂しいか、と言われるとそんなことはありません。むしろコミュニティの成長に負けないよう、私自身が成長しなければと焦りを感じるくらいです。
JAWS DAYS 2018にコミュニティブース出展しました。JAWSは日本最大の開発者コミュニティであり、コミュニティメンバーだけで大規模なイベントを回してしまうほど熱気に溢れています。他の開発者向けサービス垂涎の的と言えるでしょう。ブースだけでなく、コミュニティをテーマにしたパネルディスカッションにも出させてもらい、とても楽しい時間が過ごせました。DevRelについては規模は圧倒的に小さいですが、熱量は負けていないと自負しています。この熱量を維持したまま、今後も継続的にイベントを行っていきたいと考えています。
2019年2月14日にはDeveloper Summit 2019で登壇が決まっています。タイトルは開発者の第三のキャリアパス~エバンジェリスト/アドボケイトとは何者か?~としています。DevRelを別な領域の方々に知ってもらうために、外部カンファレンスなどに積極的に応募していこうと考えています。他にもマーケティング領域であったり、人事領域などにもDevRelを知ってもらえると、より認知度向上が狙えることでしょう。
DevRelの認知という点において、日本は決して他国に引けを取りません。英国やアメリカについで日本はDevRelを行っている国と言えます。2018年においてもそれは同様ですが、カンファレンスの規模としてはDevRelCon London 2018は300〜400名規模となっており、日本の数倍になっています。また、平日に開催できること、2日間に渡って行えていることから、規模は圧倒的に差ができています。
日本ではまだ平日でのカンファレンス参加は難しいと感じており、2019も土曜日開催となっています。DevRelがさらに知られ、仕事として参加できる土壌ができてくれば、平日開催も夢ではないでしょう。まだそこまでの認知ではないと思います。
シンガポールにおいては前述の通り、まだまだ規模は小さいです。しかし個人的にもシンガポールには注目しており、来年は着実に育てていこうと考えています。
DevRel界隈では会社の外に出る人が多いため、青い芝生を見続けてしまいます。そのためか、転職する割合が多いように感じます。DevRel Meetup界隈でも少なくとも5名以上の方が転職(または転職活動)されています。より良い条件を提示できる会社に人が集まるのは当たり前のことであり、ことDevRelにおいては開発者のステップアップとして捉えて欲しいと考えている以上、より人材の流動性が求められるのではないでしょうか。
Microsoft社がエバンジェリストを止めて、アドボケイトとしてDevRelチームを作ったと言う話があったり、CircleCIやSlack、Quoraが日本支社を立ち上げるなど、この界隈での動きも活発になっています。頭一つ抜き出るためにはDevRel活動が欠かせませんので、彼らの動きによってDevRelの認知度も増すことでしょう。
2018年は幾つかの新しいチャレンジを行いつつ、着実に成長できた年と言えます。元々爆発的に広まっていくものではないと考えていましたし、3年半経っても新鮮味を失わずに注目を集められるのはむしろ良いことだと考えています。DevRelを広めるのは私個人の活動ではなく、コミュニティや企業活動によるところが大きくなっています。それだけにアウトプットやコミュニケーションを増加させることこそがDevRelを知らしめるのに最適な施策となることでしょう。
最後に数字のアーカイブを。
この数字が来年、どこまで成長しているかが楽しみですね!
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