DevRelを行うべき企業、サービスとは?

DevRelを行うべき企業、サービスとは?

自分たちがDevRelを行うべきかどうか、どうやったら判断できるでしょうか。その判別は実はとても簡単です。

開発者がステークホルダー

であれば、取り組むべきです。そうでないならば、取り組まなくても良いでしょう。

ステークホルダーとは?

ステークホルダーとは直接、間接的に関わらず利害関係を共有する存在を指します。開発者と良好な関係を築くことが自社および自社製品に対して利害関係が発生する場合、彼らがステークホルダーであると言えます。

ステークホルダーとしての例

例えば以下のような関係性が考えられるでしょう。

  1. 自社製品の採用に開発者が関わる
  2. 自社製品を開発者が利用する
  3. 自社製品の採用には関わらないが、採用後の実装フェーズで開発者が関わる
  4. 自社内に開発チームがあり、開発者を雇用する

なぜ良好な関係が必要か

ビジネスにおいて製品採用は合理性をもって行われると考えがちですが、実はそんなことはありません。調べもせずにデファクトだから、頻繁に見るから、友人がお勧めしているからなど、定性的(感情的)な理由で選ぶことも多々あります。逆に言えば、どれだけ良い製品であったとしても開発者としてネガティブな感情を持っている場合、採用されないケースが多いです。

もちろん、良好な関係があれば駄目な製品でも良い訳ではありません。良い製品を作った前提としての良好な関係です。良好な関係はネガティブな感情を緩和し、ポジティブな感情をプラスしてくれます。

一朝一夕には作れない関係性

かつてMicrosoftが悪い企業であると言われ続けた時期がありました。現在、Microsoftの評価は大幅に改善しています。しかし、それでもなおMicrosoftのアクションに対して、ネガティブな反応をする層が一定数存在します。TwitterはAPIの利用を何度も制限し、その度に開発者にネガティブな反応をされました。彼らは数回に渡り、開発者との関係性を改善すると宣言しています。しかし、冷えつつある開発者との関係性を改善するのは容易ではありません。

逆に良好な関係性を築いている企業、サービスとしてはApple、Google、AWS、GitHub、Unityなどが挙げられるでしょう。彼らと開発者の関係性は長期間に渡る関係性の中で築き上げられたものです。昨日今日できたものではありません。Twitterもかつては良好な開発者との関係性を築いていたことを考えると、築くのは難しく、壊すのは簡単なのがDevRelと言えます。これはいわば信頼性とも言えます。あなたが今日知り合った人を完璧に信頼できないのと同じように、サービスや企業とのDevRelも築き上げるのが困難です。

その代わり、築き上げた信頼性はサービスの認知度、シェア、コミュニティなどで優位に働きます。他社との差別化において、DevRelの優劣が左右するのは、傍目から見ていてよく分かるのではないでしょうか。

求人においても有効なDevRel

サービスではなく、企業においてもDevRelは有効です。同じレベルのサラリー、同じような仕事を提示されたとしても選ばれる企業が存在します。さらに言えば、多少給与が下がったとしても選ばれる企業すらあります。逆に言えば、給与を引き上げないと選ばれない企業もまた、存在します。この差はどこから生まれるのでしょうか。

会社の内情について、外の人たちは殆ど知りません。口コミサイトもありますが、それを100%信用している人は多くないでしょう。となると重視されるのは企業としての開発者に対するブランディングです。ブランディングが優位な企業になることで、雇用を優位に進められるようになります。

この最たるものはGAFAになるでしょう。もちろん給与がアップするという大きな魅力もありますが、給与だけならばもっと支払うところがあってもおかしくありません。その中でも選ばれるのはブランディングあってこそでしょう。十分な給与とブランディング、その両方が伴わない日本企業が選ばれる理由はなくなっていると言えます。

製品採用に関わる開発者

製品採用フェーズにおいて開発者が関わるケースが増えています。関わらない場合、経営層(マネージャ層)が製品を決定します。これは金銭、コストベースで決まることが多いものです。しかし、最近では開発者の意見を求めたり、製品採用に反映するケースが増えています。

それはIT自体が複雑化し、経営層では正しい判断が下せなくなっているためです。多くの類似製品があり、それぞれに特徴が異なる場合にどの製品を選べば良いのでしょうか。それは専門家に委ねるのがベストになります。そしてIT製品においては自社内の開発者になるでしょう。彼らの意見を聞いて採用基準に反映する際、開発者はどこから情報を得るのでしょうか。意見を聞かれるであろう開発者に情報を届けるのがDevRelになります。

何となくでは伝わらない

最近ではどのようなWebサービスでもAPIを公開するのが当たり前になってきました。そんな中、単にAPIを公開しましたでは開発者の心を惹くことなどできなくなっています。すでに次のステップに入っているのです。ドキュメントの整備、チュートリアルの作成、SDKやデモアプリの開発などが求められています。そういった環境がなければ、試してくれる開発者もいないでしょう。

同様に開発者ブログを立ち上げるのも当たり前になっています。そんな中で目立たせるためには、時代と自社ニーズにあったコンテンツを作成する必要があります。何となくやっても効果的でなく、やるだけ無駄とすら言えるでしょう。やるならばしっかりとやるべきです。

まとめ

自社、サービスにとって開発者がステークホルダーであると思うならばDevRelは必須です。だからといって適当にやるならば、コストがかかる分マイナスとさえ言えます。やるならばしっかりと、中長期的な視点をもって取り組むべきです。

MOONGIFTではDevRelのコンサルティング、アウトソースを承っています。御社に合わせたDevRelの取り組みを協議し、さらにそれを実行できます。DevRelに関してお悩みがありましたら、ぜひお問い合わせください

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