コミュニティイベントのはじめかた【2019年版】

コミュニティイベントのはじめかた【2019年版】

コミュニティイベントの始め方を聞かれることが増えてきたので、ここで一旦まとめたいと思います。今後はこちらのURLを紹介すれば済むようになりますし。

目的を決めよう

まず大事なのはコミュニティの目的です。どんな人たちに集まって欲しいか、どんな話をして欲しいかがテーマによって決まります。あまりマニアックだと対象者が自ずと絞り込まれてしまいますが、逆に広すぎるとぼやけてしまってジブンゴトに感じられなくなってしまいます。そのコミュニティを聞いた時に、まさに自分が参加すべきものだと思ってもらえないといけません。

日本にはすでに数多のコミュニティが存在しますので、半端なテーマではすでに同じようなコミュニティがあるでしょう。その意味ではある程度絞り込んだ、マニアックなものの方が良いかも知れません。

名前を決めよう

目的が決まったらコミュニティ名を決めましょう。目的そのままでもいいですし、何か格好良い名前をつけても良いでしょう。開発者コミュニティの場合、ユーザ会、ユーザグループ、Meetup、もくもく会、勉強会、入門、読書会など語尾に付けることが多いようです。

場所を決めよう

次に開催場所を決めます。幸い、日本では無償で会場提供してくれる企業が多数あります。以下の情報は古いですが、参考にはなります。

IT勉強会で利用できる会場一覧まとめ Doorkeeper

【東京】IT勉強会の会場【無料】 - NAVER まとめ

後は会場を借りる手もあります。

スペースマーケット

コワーキングスペースでも会場をレンタルしているところがたくさんあります。

コワーキング ジャパン

内容を決めよう

名前と場所が決まり、次はイベントの内容を決める段階です。イベントの趣旨によって変わりますが、多くは以下のような形になります。

  • セッション
  • パネルディスカッション
  • ワークショップ
  • ハンズオン
  • LT
  • もくもく会

セッションの場合、通常は20〜45分枠になります。登壇してくれる人を探して、了承してもらう必要があります。多くの勉強会が90分程度なので、20分の場合は3〜4つ、30分の場合は3つ程度になるでしょう。

パネルディスカッションはパネラーを集めてしまえば、事前の資料作成などが不要な分、登壇者の負担は小さくなります。通常4〜5名程度のパネラーと、全体をコントロールするファシリテーターが1〜2名になります。

ワークショップやハンズオンは講師になる人が1〜2人、サポートが2名程度いると良いでしょう(参加人数によります)。講師になる人の負担が大きいので、第三者に気軽には頼みづらいでしょう。

LTは5〜10分程度で、登壇者の負担もそれほど大きくありません。一回のイベントをすべてLTにしてしまうこともあれば、セッションと組み合わせる場合もあります。もくもく会は各自自分の作業をするので主催者の事前準備は大変ではありません。

時間を決めよう

参加者の性質によって変わりますが、例えば開発者コミュニティの場合は平日夜、土曜日昼間、平日昼間の順くらいがお勧めです。平日昼間は仕事として参加できる場合に限るので、開発が主業務な開発者は参加が難しいでしょう。また、その場合はコミュニティではなくセミナーの場合が多いです。

平日夜に開催する場合、お勧めは19時開場、19時15〜30分開始です。日本の場合、18時に仕事をあがれる人は多くありません。なんとなく残業が発生してしまって、18時30分過ぎに会社を出られるくらいがせいぜいでしょう。そのため、19時開始だと最初の集まりが悪い可能性があります。

多くの勉強会が19時半〜21時といったスケジュールで行われますが、ハンズオンの場合90分では足りない可能性があります。その場合は19時〜21時半までにするなど柔軟に調整してください。

懇親会について

開発者向けイベントの形式として多いのが、前半に勉強会を実施して、後半に懇親会を開催するというものです。この懇親会を開催する場合は、勉強会と同じ場所で開催するのか否かを検討します。同会場が飲食OKであるかによって変わったり、アルコールがOKかどうかなど諸条件があるはずなので確認しましょう。また、会場で出たゴミの扱いについても確認が必要です。夜遅くに勉強会が終わった場合、業者に回収するのが難しくて自分たちで持ち帰らないといけない場合もあります。

また、ケータリングなどを依頼する場合には、その受け取り方法についても確認が必要です。会場に業者用のエレベータがある場合、ない場合があります。ケータリングの配達時間次第では、会場を貸してくれる企業の担当者に受け取りをお願いしないといけない場合もあります。

料金を決めよう

多くの開発者イベントが無料で開催されています。中には懇親会を開催するのに無料だったりする場合もあります。その場合、その費用(原資)はどこから出ているのでしょうか。答えになるのは人事、マーケティングです。採用費用の一部になっていたり、広告宣伝費用として出ています。無料で飲み食いできると参加者にとってはメリットがありますが、出資側もメリットや結果を求めるようになります。

よくあるのは会場紹介と言いつつサービス紹介を行ったり、露骨な求人につなげる場合もあります。多くの開発者は無視するでしょうが、純粋な技術を学ぶ場にノイズが混じるのは間違いありません。また、無料の食べ物に釣られた人たちを呼び寄せることになります。多くは技術に興味がなく、単に食べたいだけという出資側にとっても嬉しくない人たちになります。

個人的には無料で開催するのはお勧めしません。多くの場合、無料で開催するのはコンテンツに自信がないからです。食べ物で釣っているようなものでしょう。勉強会ではコンテンツがまず第一です。コンテンツが秀逸であれば有料であっても参加してくれます。自信をもてるようなコンテンツを考えるようにしましょう。

募集媒体について

開発者向けのイベントであればconnpass、Doorkeeper、ATNDあたりで募集するのが一般的です。時々自社フォームを使ったケースを見かけますが、よほどの理由がない限りは参加する敷居を上げてしまうだけなのでお勧めしません。そして、自社ルールでそういったフォームを使うような企業はコミュニティイベントに向かないでしょう。参加者メリットよりも自社メリットを優先してしまうような考え方はコミュニティ向きではありません。

イベント内容の記載

掲載する際に大事なのは以下の要素です。

  • 参加人数
  • 開催場所
  • 開催日時
  • ハッシュタグ
  • イベント内容
    • 概要
    • 対象者
    • タイムスケジュール
    • 登壇者紹介(セッション形式の場合)
    • LT枠がある場合はその登録方法の提示
    • 会場
      • 入場に関する諸注意
    • イベントに関する諸注意
      • 行動規範など
    • その他

イベントの撮影を行う場合は、あらかじめ書いておくようにしましょう。また、ハラスメントに対する注意書きとその対応なども明示しておいた方が良いです。参加者属性など、アンケートを設置する場合には、イベント内容の中に盛り込んでおきましょう(connpassなどはアンケート機能があります)。

イベント内容を手厚く書くと参加数が増えるという話があります。内容が薄いイベントよりも、きちんと書かれている方が安心感もあるでしょう。参加者が思っていたのと違った、とギャップを感じることがないよう、適切に内容を記述しましょう。

拡散する

イベントを公開しても、それは他のイベントに埋もれてしまうでしょう。拡散は自分たちで行わなければなりません。まずソーシャルを使った拡散が考えられます。次に自社ブログ、ニュース、リードに対してのメール配信も考えられます。テーマによっては、その技術ワードだけで参加者が見込めるので問題ありませんが、多くの場合は集客を頑張らないといけません。せっかくイベントを行うのですから、集客をしっかり頑張って多くの人たちに参加してもらえるようにしましょう。

まとめ

ここまででコミュニティイベントをはじめるまでの流れはできました。開催までの流れ、そして開催時の注意点については別途紹介します。

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