コミュニティの成長に見逃せない新規と既存参加者の割合について

コミュニティの成長に見逃せない新規と既存参加者の割合について

コミュニティがどんどん大きくなっていくということは、はじめて参加する人たちが多いということです。オフラインイベントを行う場合、その参加人数はイベント会場のキャパシティに左右されます。例えば50名までしか入れない会場に80名が集まったら、確実に立ち見や床に座る人たちが出てしまいます。それが許される雰囲気であれば良いですが、床が汚かったら座るのは躊躇しますよね。

そのため、通常は最大人数を決めて集客を行います。そして、コミュニティが成長過程にあると、この時の新規参加者の割合と、過去に参加したことのある人たちの割合が問題になります。

理想的な割合について

理想的な割合は新規と既存の比率が4:6〜6:4くらいでしょう。これが新規8、既存2となってしまうと新規が多すぎたり、逆に既存8割になると内輪感が出すぎてコミュニティとして拡大していない状態になります。例えば50名のイベントを行って、新規参加者が10人しかいないということです。殆ど増えていない状態と言えるでしょう。とはいえ、新規参加者が多すぎても問題があります。

新規参加者が多すぎるのの何が問題なのでしょうか。極論、毎回新しい人たちが参加してくれているとしたら、イベント回数×会場のキャパシティという具合にコミュニティメンバーが増えてます。コミュニティメンバーという意味ではどんどん拡大している雰囲気があるのにです。

ファネルで考える

ではマーケティングでよく使われるファネル分析で考えてみましょう。新規10割ということは、既存のユーザが0ということです。この状態はユーザ登録はしたけれど、全く継続されていない状態と言えます。どれだけ新規ユーザを獲得しても継続してくれないならば何の意味もありません。一回だけ来て「何か違う」「面白くない」「ためにならない」と感じて去ってしまっています。これではコミュニティとして成立しているとは言いがたいでしょう。

AARRRモデルで考えると、登録から継続に至る上での割合に相当します。コミュニティにおいては、継続参加率が高くなければ、累積参加人数だけが増えても意味がありません。この状態に陥るのは「内容が思ったのと違った」と感じてしまったり「自分にピンポイントで合ったテーマの時だけ参加しよう」と考える場合に多い傾向があります。いずれにしてもコミュニティに参加しているとは言いがたい状態と言えるでしょう。

イベント会場のキャパシティや、個人の都合もありますので常に毎回イベントに参加できる訳ではありません。さらに言えばある程度新規の人たちにも入って欲しいと考えますので、前回の参加者が全員連続参加してくれる必要はありません。ただ、去ってしまって全く来なくなってしまうのは問題があります。その理想として新規:既存=4:6なのです。

4:6のメリット

さて、この理想的な参加割合の場合にどんなメリットがあるでしょうか。すでに参加したことがある人たちは、コミュニティの雰囲気であったり、目的、空気感をすでに知っています。新規が多すぎると、これまでの雰囲気をまったく知らないので、一から説明して空気を作らないといけません。ある程度既存の参加者がいることで、はじめて参加する人たちを暖かくフォローアップしてくれます。はじめて参加する人にすれば、雰囲気も分からず知り合いもいない中に放り込まれた状態です。そんな緊張した人たちが大勢いるよりも、雰囲気に慣れた人たちが大勢いる方が安心して過ごせるはずです。

割合をコントロールする

新規と既存の割合をコントロールする方法は、参加人数によって分かれます。まず、会場のキャパシティに対してちょうど良い、または少し足りないくらいの参加人数の場合です。例えば50名のキャパシティに対して45名の参加が見込めるといったケースです。

この場合、既存が足りない場合は既存コミュニティメンバーに対してイベントをアピールしましょう。connpassであれば、コミュニティメンバーに対してメッセージが送れます。この機能を使って、周知徹底を促します。新規が足りない場合はコミュニティメンバー以外に啓蒙しなければなりません。例えばWebサイトであったり、ソーシャルメディアを使います。個人のつながりを期待してFacebookで流すのも良いでしょう。

次に会場のキャパシティよりも圧倒的に多い人数が参加登録している場合です。例えば50名のキャパシティに対して150名の参加希望があると言った場合になります。

この場合、お勧めは先着順ではなく抽選にすることです。抽選にすることで、参加者の中から既存参加者と新規参加者を調べられるようになります。そしてあらかじめ当選確定する機能(connpassの場合)を使って、割合をコントロールします。既存参加者の中でも特に参加率の高い人を優先したり、新規参加者の中でも他のイベントなどの参加率が高い人を優先すると言った操作が可能です。ある程度はランダム枠を残しておいても良いですが、既存と新規参加者の割合には注意が必要です。

まとめ

コミュニティを育てる時には、各回における新規と既存の参加者割合に気を配る必要があります。新規の割合が多すぎると感じたら、それはコンテンツが面白くないと感じられている可能性があります。逆に既存の割合が多い場合には内輪感が出て、新規の人たちが入りづらい(テーマが尖りすぎているなど)可能性があります。いずれにしても注意信号が出ていると言えるでしょう。

コミュニティの成長は参加者の熱量とぶれないテーマが肝になります。健康な状態を維持することで、コミュニティは成長していくことでしょう。

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