開発者コミュニティの熱量を維持できるイベント人数

開発者コミュニティの熱量を維持できるイベント人数

イベントは大きければ大きいほど、運営側としては満足度や達成感があるでしょう。一度のイベントで200人集めました、300人集めましたと言えば、一堂に会した時のインパクトも大きく、見栄えも良いはずです。しかし、それが必ずしも良いことかと言われると、そうでもありません。開発者コミュニティで大事なのは、人数よりも熱量です。人数と熱量は相対的なもので、人数が多くなければなるほど、熱量の高い人たちと低い人たちが混ざり込んでいきます。

距離感

まず運営と初参加の人たちの距離感が広がります。これは会場が広いことによる物理的距離、そして人数が多いために自分がコミュニティの一部になりきれない心理的距離感の二つです。一部の熱量高い人たちと運営とか盛り上がっている状態だと、はじめて参加する、またはまだ慣れていない人たちは周囲で取り囲んでいるだけです。そこには圧倒的な熱量の差があります。特に一部の人たちだけが盛り上がっている状態は内輪感を生み出し、周囲の人たちは「自分たちは入っていけない」「自分はお呼びでない」と感じてしまうでしょう。

周囲とのコミュニケーション

多くの開発者がコミュニケーションを不得意としています。そうした人たちが居づらさを感じないよう、フォローしてあげるのが運営や熱量高い人たちの役割です。しかし、参加者が多くなって居づらさを感じている人たちが増えると、そのフォローアップできる人たちが足りなくなります。その結果、何となく面白くないと感じてしまう人たちが増えていきます。

枠組みを知らない人たちが増える

イベントが大きくなければ、それだけ新規の参加者が増えていきます。その結果、これまで行ってきたイベントのやり方、内容を知らない人たちが増えます。本来、そういった新規参加者は既存の参加者でフォローしてあげる必要がありますが、新規の方が多くなってしまうと困難です。そうなるとコミュニティのテーマ、やり方、楽しみ方などを毎回一から説明しなければなりません。それが理解されないと、逸脱された行為をされたり、他の参加者に迷惑をかけるような人たちが参加する恐れがあります。

自己紹介できない

私が運営に携わっているコミュニティではイベント前の自己紹介を必須としています。それは一人10秒であってもやっています。そんな短くて良いのですかという声もありますが、30秒もらっても話がだらだら続いて飽きてしまったり、話すこともなくてすぐ次の人に替わってしまうのであれば10〜15秒で十分でしょう。自己紹介することで、自分とその周りにいる人たちを認識できます。

人数が増えると、隣に座っている人たちが誰なのかも認識しなくなります。それはコミュニティメンバーではなく、勉強会に参加している人でしかないからです。イベントの参加人数が増えすぎてしまうと、自己紹介することもできなくなるのが問題です。

1イベント50名、マックス80名

一回のイベントに付き50名程度、最大でも80名までとするのが良いのではないかと思います。80名の場合、一人10秒の自己紹介でも10分かからず終わります(大抵10秒も持ちません)。できれば50名程度にし、全員が存在を確認できるくらいの人数が理想です。

参加人数が増えてしまう場合は…

コミュニティへの期待値が上がり、参加人数がどんどん増えてしまう場合は分科会にするチャンスと言えます。地域で分ける、またはテーマで分けるのが良いでしょう。勉強会の内容はアーカイブしたり、ブログなどでのアウトプットを通じて理解してもらうのがオススメです。例え東京であっても新宿と上野に分けたり、さらに新橋にするなど分割できる可能性はあります。

まとめ

人数を求めてしまうのは、運営側の承認欲求故でしょう。しかし、本来大事にすべきなのはイベントへの「参加率」「満足度」「継続率」「アウトプット数」などであるべきです。分科会ができれば、イベントの数も増やせます。参加人数300人と言えば聞こえは良いですが、熱量が落ちて中身がスカスカになっていないか注意してください。

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