オンラインコミュニティのフォーマットって?

先日 DevRel/Online #2を開催して、オンラインコミュニティのファシリテーションはどうあるべきかについてグループワークをしました。コロナウイルスの影響があって、多くのコミュニティが3月以降、オフラインでイベントができていないと思います。その代わりにオンラインイベントが隆盛になっており、新しい日常が生まれつつある実感があります。

オンラインコミュニティは、オフラインの時にはない様々な良さがあります。例えば場所を決める必要がありません。インターネットさえあれば、どこからでも参加できるので、新しいコミュニティを知る機会になっています。これまで東京界隈でしか行われず、地方との情報格差が問題になっていましたが、オンライン化されることで日本全国、世界中どこからでも参加できるメリットがあります。

とはいえ、オフラインの時にはあったコミュニケーションが失われている実感があります。コミュニティなので、参加者とのコミュニケーションがないと、体験が大きく損なわれてしまいます。元々オフラインで成立していたコミュニティであればなんとかなるといわれていますが、コミュニティには常に新しい人たちが入ってきます(入ってこなければ、内輪感の強い、クローズドな場になってしまうでしょう)。そうした新規参加者がコミュニティに参加していると実感してくれなかったり、他の人たちとコミュニケーションが取れなければ、面白くありません。ミートアップなんていわれているのに、会えないのでは価値が半減しているといえるでしょう。

特に運営、登壇者がZoomなどで対話して配信し、参加者はYouTube Liveなどで受信側に終始してしまっている場合にそう感じられます。一参加者としては、特にリアクションの求められないYouTube Liveでの閲覧は気楽なのですが、コミュニティに参加しているのではなく、ただ閲覧しているだけという意識になります。これはとてもコミュニティを一緒に作っていこうという意識にもなりませんし、帰属意識も生まれないでしょう。

オンライン化することで、参加者は増えているのになぜか熱量は下がっている、薄まっているというのはこの辺りに原因があります。

フォーマットを考え直す

そこでグループワークを行って、オンラインならではのファシリテーション、コミュニティイベントのフォーマットをみんなで考えてみました。結論からいえば、次のような形がいいのではないかと考えています。

  • 短めのセッションを2つ程度
  • テーマに合わせたグループワーク
  • 最後に発表
  • 懇親会など

学びを得るためのセッション

これは別にセッションではなく、LTなどでもいいです。DevRel Meetup in Tokyoの標準フォーマットとして、これまでは次のようになっていました。

  • 20〜25分のセッションを3つ
  • LTを3つ程度
  • 懇親会

タイムテーブルでいうと次のようになります。

  • 19:00 開場、受付
  • 19:15 挨拶&全員の自己紹介
  • 19:30 セッション1〜3
  • 20:45 LT×3
  • 21:00 懇親会

これが次のようになります。

  • 19:00 開場、受付
  • 19:15 挨拶
  • 19:25 セッション1〜2
  • 20:05 グループワークの説明
  • 20:10 グループワーク開始
  • 20:45 グループワークの結果発表
  • 21:00 懇親会

ミートアップは単なる交流会とは異なりますので、テーマに合わせて何らかの学びは欲しいと考えています。そこで、20分程度のセッションを2つ用意して、そこで問題提起であったり、ナレッジを得られるようにします。

テーマに合わせたグループワーク

セッションが終わったら、テーマに合わせてグループワークを行います。これは共通したテーマで、人数を分けてもいいですし、異なるテーマで興味あるものについて話し合う形でもいいでしょう。人数を分割して、それぞれチームで話し合いをします。

この少人数で分かれて互いの意見を交換し合うことで、コミュニケーションをします。1チーム6〜7人程度であれば、自己紹介する時間を含めても、一人5分程度は話す時間ができるはずです。

  • 20:10 自己紹介(一人30〜40秒程度)×6〜7人 = 4分程度
  • 20:15 テーマについて話し合い
  • 20:40 まとめ。発表者決め
  • 20:45 終了

最後に発表

各チームは必要に応じて運営メンバーがファシリテーションします。もし不要であれば、そのまま参加者にコントロールしてもらうのがいいでしょう。最終的に発表者が決まればパーフェクトです。

発表は各チーム3分程度として、LT程度にさくさくと進めるのがいいでしょう。5〜6チームであれば十分進められるはずです。発表することで、その人を発信側に転換し、コミュニティ内での認知を引き上げる狙いもあります。

ミートアップへの参加形式

こうしたフォーマットを実行するために、コミュニティイベントへの参加方式を2つに分けて考えるのがいいでしょう。

  1. 視聴型
  2. 参加型

運営メンバーとしては、全員に参加型になって欲しいと思うかも知れませんが、初参加の人たちであったり、自分の意見を出すのが苦手という人も少なからず存在します。ワークグループの存在がミートアップ参加の障壁になってしまうのは勿体ないので、視聴のみとする参加種別を用意します。これはYouTube Liveなどでの視聴がいいでしょう。

参加型はワークグループに参加する人たちです。こちらはZoomやRemoなどグループワークに適したサービスを使うといいでしょう。ワークグループの結果はオープンにし、視聴型だった人たちも次回は参加してみようと思ってもらえるとベストです。

コミュニティとしては、視聴型と参加型の比率を見つつ、より参加しやすいテーマの設定や座組、心理的安全性を確保していくのがいいでしょう。

まとめ

オンラインミートアップについては今年急速に伸びているカテゴリーであり、まだまだ試行錯誤の大きな取り組みでもあります。しかし、今年いっぱいはもちろん、来年以降もしばらくは現状のように容易には集まれない日々が続くと予想されます。そうした中でもコミュニティを成長させるために、トライアンドエラーを繰り返さなければなりません。

今回提示したフォーマットの成否については、今後のコミュニティの成長を見ながら判断することになるでしょう。もちろんコミュニティの特性などによっても異なりますが、皆さんのコミュニティ運営の一助になれば幸いです。

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