コンテンツマーケティング「7ない」問題

コンテンツマーケティング「7ない」問題

ブログ記事をはじめとした、コンテンツマーケティングをはじめたいと思う企業は多いのですが、すぐにははじめられない事情が幾つもあるものです。今回はコンテンツマーケティングにおいて良くある課題について紹介します。これからはじめようと思っている方々は、同じ轍を踏まないようあらかじめ解決してから臨みましょう。

1. 書き手がいない

社内のエンジニアにブログ記事を書いて欲しいと言っても誰も手を挙げてくれない…そんなケースです。この問題の根本にあるのは、製品や会社に対する愛情不足です。本来、人は社会性のある生き物で、素晴らしいものに出会ったら誰かに広めたいと思うものです。それが根本的に欠如している可能性があります。もし無理矢理書かせたとしても、クオリティの高い、読み手に影響を与えられる文章は出てこないでしょう。

人があえてブログを書くという手間をかけてまでアウトプットしたいと思うのは、欲が関係します。

  • 自己顕示欲
  • 承認欲求
  • 学習意欲
  • 個人的なメモとしての蓄積

企業においては個人的なメモはあまり関係ありませんが、Qiitaで各メンバーを組織化している場合には、メモもまた重要な存在になります。対外的にも、アウトプットする文化がある会社とない会社であれば、当然ある会社の方がプラス評価になるでしょう。

2. ライティングスキルがない

書いてくれそうなエンジニアが見つかったとして、彼らが断る理由に挙げるのがこのライティングスキル問題です。もちろん、書く技術があった方が良いでしょう。しかし、こと技術においてはライティングスキルよりも技術スキルの方が重視されます。かつてテクニカルライターと呼ばれる存在の人たちが大勢いましたが、今ではその仕事の殆どを職業エンジニアに奪われています。技術がより専門的に、より深い知識が必要になったため、テクニカルライターでは対応できなくなっています。

ではエンジニアがどうやってライティングスキルを磨くかと言えば、とにかくたくさん書いてみなければはじまりません。最初は文章を書ける人が校正してから出すようにしても良いでしょう。また、ライティングスキルがない人たちを集めて情報共有、勉強会を行っても良いでしょう。

3. ネタがない

そもそも社内にネタがないという理由で断る人たちもいます。そのため、大きな変更があった時にしかアウトプットしなくなります。それらの記事は総じて壮大なものになりがちで、数日間は読まれるのですが、中長期的にはあまり参照されない傾向があります。物語としては良いのですが、ピンポイントで役立つ場面が少ないのです。普段、仕事をする中ではピンポイントで役立つ記事の方が参照(Web検索にひっかかる)されます。その意味では長大な文章は不向きです。

それをエンジニアにも理解してもらって、小さなアウトプットで良いことを知ってもらいましょう。そして「自分たちの常識は他の人たちにとって非常識である」と理解してもらいましょう。こんな内容、誰だって知ってると思い込むのではなく、積極的なアピールをお願いしましょう。自分が困った、という経験をシェアするのはエンジニアが助け合う中で大事な文化です。

4. 会社がアウトプットを認めない

会社(特に経営陣、マネージャ層)が阻害要因になっているケースは良くあります。アウトプットをリスクだと考えているケースです。この場合、アウトプットによって成功している例を紹介しましょう。特に同業種であると効果的です。現在、アウトプットしないことの方が会社にとってマイナス要因になっています。アウトプットのセキュリティリスクを正しく判断することで、メリットとデメリットを正しく判断できるようになります。無闇に恐れるのは正しい判断とは言えません。

他の広告手段と比べた費用対効果についても考えてみましょう。営業担当者を一人雇用する、広告で月間予算100万円を投じるよりも効果的である可能性は大きいです。そうした数字を正しく測定し、納得感のある分析をしなければなりません。雰囲気で良い、悪いという判断は握手です。

5. 暇がない

書く時間がないという問題は、仕事としてライティングする時間を確保することで解決しましょう。ボランタリーで書いてくれというのはブラック企業のそれでしかありません。そして記事一つ書くのにかかった時間を測定し、より低コストで大きなリターンの得られた人に書いてもらうようにしましょう。コンテンツマーケティングの目的にもよりますが、従来のマーケティング施策と同レベル以下でないと続ける意味はありません。意味があると理解するためにも測定はきちんと行わなければなりません。

目安ですが、社内で培った知識をブログ記事にするのであれば4時間もあれば十分でしょう。つまり1週間あれば1日50分程度で書き上げられる計算です。慣れてくれば1日1時間で書き上げることもできます。ただし、細切れな時間の中で書くのは余計な時間がかかってしまいますので、ライティングに集中できる曜日を設けるのがお勧めです。

6. 公開する場所がない

せっかく記事を書いても公開する場所がなければ意味がありません。しかし、今はフリーで使えるサービスがたくさんあります。例えばGitHub Pagesであれば、サブドメインを割り当てることで無料で利用できます。はてなブログであっても年間9,000円程度で独自ドメインが利用できます。ブログがヒットしてからドメイン移行するのは面倒なので、独自ドメイン(サブドメインであっても)は最初から用意した方が良いです。

コンテンツマーケティングで大事なのはコンテンツであり、デザインではありません。まずは可読性を重視すれば良いでしょう。そして将来的にデザインをコーポレートと統一したり、メニューなど独自機能を追加していけば十分です。

7. 読まれない

記事を公開しただけで読み手が勝手に集まってきてくれる訳ではありません。記事を書いたら、それを広めるための工夫が必要です。まずはソーシャルメディアでの拡散が第一になるでしょう。公式アカウントはもちろんのこと、社員のプライベートアカウントでも拡散に協力してもらいましょう。もし拡散してくれないアカウントがあるとすれば、プライベートとビジネスをはっきりと分けているか、企業やサービスが好きではないかのどちらかです。

拡散しても読まれない場合、コンテンツの方向性が間違っていないのか確認しましょう。内容がマニアックになりすぎている、読者が目的の層と異なる、タイトルに問題があるなど改善できるポイントを探してみましょう。

まとめ

コンテンツは最も手軽にはじめられるDevRel施策の一つだと言えますが、それでもなお取り組めないというケースは少なくありません。すべてのリソースが十分にあるケースは少ないのが一般的です。様々な「ない」状況の中でパフォーマンスを発揮しなければなりません。ぜひ頑張ってください!

MOONGIFTではブログのライティングやドキュメント整備などDevRelのオンラインコンテンツ施策のサポートを行っています。技術的ナレッジがないと難しいブログ記事作成が安価に実現できます。ブログを書く人がいない、ライティングスキルがない…そんな問題を抱えている方はぜひお問い合わせください

UPDATE

アップデートを受け取る

メールにてDevRelに関するニュース、アップデートをお送りします。

Contact is below.