開発者向けのサービスを立ち上げた、サービスサイトも作った、ドキュメントもある程度用意した…さぁDevRelをはじめよう!しかし何から手を付けて良いか分からないという話はよく聞きます。コミュニティを作るのか、エバンジェリスト・アドボケイトを雇用するのか、ノベルティを作るのか。どれからトライすれば良いでしょうか。
筆者がお勧めするのは「コンテンツ」です。DevRelの4CにもコンテンツはDevRelの基本要素として挙げています。もちろん一言でコンテンツといっても多彩なのですが、それは後述するとして、コンテンツがお勧めな理由を解説します。
例えばブログからはじめるとしましょう。ブログ用のサーバを用意する予算がなければ、はてなブログなどのASPが使えます。その予算すらなければ、GitHub Pagesを使えば良いでしょう。選択肢は多彩にあり、安価または無料ではじめる方法があるのです。
エバンジェリスト・アドボケイトといった人的施策からトライしようとすると自ずと人を雇用するために人件費がかかります。また、人はコストに合わないからと言って、おいそれとカットできるものではありません。この人件費というのは決して安いものではありませんので、DevRelがうまく回り出してから雇用を検討しても十分でしょう。
他の施策に比べてコンテンツは安価です。今はオンラインサービスも多彩にあり、安価に実施する術がたくさんあります。さらに雑誌やオンラインメディアへの寄稿であれば、逆にお金をもらえます。書籍なども執筆コストはかかりますが、そこから収益を得ることもできます。
ドキュメントにはドキュメントの、ブログにはブログの性質があります。ドキュメントには正確性や網羅性が求められる一方、ブログ記事にそこまで求める人はいないでしょう。新しい技術との組み合わせであったり、コードのスニペットも載せやすいでしょう。
ライブラリやプログラミング言語のバージョンアップに伴ってコードが利用できなくなる場合も、ブログであれば許される傾向があります。記事の最初に「この記事は一年以上経過しています」と出すブログはその予防線を引いていると言えるでしょう。ドキュメントで同じことは難しいはずです。
同様に動画などのコンテンツも視聴者を増やすために新しい試みがたくさん行われます。コンテンツは鮮度と尖度が大事です。トライし、失敗したり成功に至れなかったとしても、それさえネタになりえるのがコンテンツの魅力です。
オンラインコンテンツはインターネット上にアーカイブされるのが魅力です。今では星の数ほどのコンテンツがありますので、一つのコンテンツが持つ価値はとても小さいです。しかし、ゼロではありません。そしてコンテンツを積み重ねていくことで徐々に価値が高まっていきます。
インターネット上にあるコンテンツはWeb検索できるようになります。この、後から見つけてもらえる点もオンラインコンテンツの魅力と言えるでしょう。掘り起こしとしてTwitterなどで共有しても良いでしょう。再利用のしやすさもオンラインコンテンツの特徴と言えるでしょう。
もちろんデータが残るというのは怖さもあります。炎上した際などに、ウェブ魚拓やInternet Archiveを通じてコンテンツが残ってしまいます。忘れられる権利も殆ど意味がありません。しかし炎上を恐れて発信しないのはデメリットが大きすぎます。リスクを恐れるのではなく、正しく評価した上で取り組む姿勢が求められます。
オンラインコンテンツは他の施策に比べてシェアされやすい特徴があります。登壇などもTwitterでシェアされたりはしますが、継続的な影響力についてはオンラインコンテンツの比ではありません。リリース時に爆発的に広まったり、オンラインにある限りは恒久的にシェアされる可能性があります。共有されることで、本来自分たちではリーチできない開発者にまでコンテンツを届けられるようになるでしょう。
オンラインコンテンツはDevRelのファーストステップとしてお勧めな施策です。最初から予算をかけて行う場合、成功に対する期待値が高まってしまいます。DevRelは時間がかかる施策なだけに、予算をかけたからといって即座に結果につながるものではありません。結果の見やすさという点においてもオンラインコンテンツは魅力的です。これからDevRelをはじめよう、と思ったらまずはオンラインコンテンツ、ブログやドキュメント整備からはじめてみましょう。
MOONGIFTではブログのライティングやドキュメント整備などDevRelのオンラインコンテンツ施策のサポートを行っています。技術的ナレッジがないと難しいブログ記事作成が安価に実現できます。ブログを書く人がいない、ライティングスキルがない…そんな問題を抱えている方はぜひお問い合わせください。
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